オリジナル着物誕生秘話
2021年も根強い人気の「オリジナル着物」その作成秘話をご紹介いたします♪
「既製品の衣装じゃ私たちが目指す理想の写真撮影ができない!」
ユースマイルの衣装全般の仕入れ・管理を担当している金森にオリジナル衣装制作秘話をインタビューしました。
Erika Kanamori
美容専門学校のブライダル科を卒業後、株式会社キシモトに入社。
ウェディング専門のフォトスタジオ アンジュエール姫路店でカメラ・美容に携わる。
先輩に同行して衣装買付けをしていくうちに、ディレクターとして衣装バイヤーも担当するように。
現在はユースマイル・アンジュエール全店の衣装バイヤー・小物の仕入れ・メンテナンスや、ユースマイルの衣装ブランディングを担当。
昨年、全店用のオリジナル衣装の制作デザインという新しい試みにチャレンジ。
プライベートでは3歳の男の子のママ。
ユースマイルが目指す「優しい・愛らしい・あたたかい」写真撮影
既製品の衣装でも可愛い着物はたくさんあるのに、なぜオリジナル衣装を制作したんですか?
ユースマイルはフォトスタジオなので、写真撮影を一番重視しています。
ふとした瞬間のお子様の表情や、ご家族の幸せに満ちた笑顔。
その一瞬一瞬を永遠の思い出として写真という形で残すために、私たちはスタジオセット作りも自分たちでしています。
写真の流行りやお客様の求めているものに合わせて、スタジオセットのコンセプトは毎年変えています。
数年前は「元気・感情があふれ出す・とびっきりの笑顔」というのがコンセプトだったので、衣装もポップでカラフルな色合いの着物を仕入れたり、生地だけ既製品を購入して着物に仕立ててもらったりしていたこともありましたね。
ユースマイルのコンセプトは「優しい・愛らしい・あたたかい」なので、スタジオセットもナチュラルな優しい色合いで、写真撮影も奥行きがあって空気感が伝わるスリーレイヤーという手法を取り入れています。
衣装もコンセプトに合わせて、買付けしようとしたのですが…原色やカラーの濃い着物が多くて、スタジオセットのテイストに合う衣装がなかったんです。
「ユースマイルはこういう写真だよ」というブランディングメッセージを伝えるためにも、オリジナル衣装が必要でしたので、オリジナル衣装を制作デザインすることになったんです。
イメージに合う生地探しのために問屋さんを何軒もハシゴ
情報収集をして、デザインイメージが決まってからは、何から始めたんですか?
まずは、生地メーカーからサンプルを取り寄せたり、実際に大阪船場の生地問屋さんに出向いてイメージに近い色と柄の生地を探しました。
スタジオセットが変わることもあって、今までと印象をガラッと変えたい…という想いがあったのですが、イメージ通りの生地を探すのは大変でした。
生地問屋さんを何軒もハシゴして、やっとフェミニンで女性らしい繊細さイメージに合う花柄の生地を見つけたんです!
写真にした時に一番キレイに見える衣装デザイン
完成した衣装を拝見すると、意外と色が濃い気がするのですが…?
スタジオで撮影した時にどんな写真に仕上がるか…ということも計算して、色や柄は選んでいます。
ユースマイルのフォトスタジオで使用しているライトは、お顔に強い影が出たりしないように自然光に近い照明を使っているのですが、家庭用の照明よりは強い光なので、淡すぎると写真になった時に色が飛んでしまうことがあるんです。
カメラの設定をお顔映りが一番良く写る設定にした時に、衣装も一番キレイに見えることを前提に色・柄を選んでいます。
確かに写真で見ると肉眼で見た時と少し印象が違って、優しいトーンになりますね。
そうですね。目で見るのと写真で残すのとでは全然違いますね。
サンプル生地でカメラ撮影してみたりもしましたが、そこは経験による計算もあります。
私は衣装担当だけでなく、カメラマンとして現場にも入っているので、撮影経験が衣装デザインに活かせる点は大きな強みだと思います。
親子で衣装がリンクする色柄をチョイス
ママの衣装の生地は、お子様の生地と同じ柄で色違いなんですね?
家族全員で撮影した時にリンクするコーディネートを考えているので、柄をリンクさせて色違いでデザインしています。
洋柄の着物は「ママに憧れている、ちょっぴり背伸びした女の子」をテーマにしているので、ママと女の子で並んだ時に、それが表現できているんじゃないかな?と思います。
オリジナル衣装の小物は自社で作成しています
小物もユースマイルだけのオリジナルデザインなんですよね。
はい、草履やバッグ、小物の刺繍は業者さんじゃないと難しいのでお願いしていますが、髪飾りや帯締め、
被布飾り等はすべて自分たちで制作しています。
草履やバッグも、作ったんですか!?
そうなんです。着物に合う生地を一から探して、業者さんに作っていただきました。
洋柄の着物には、着物自体が引き立つ様に小物はシンプルで清楚な白いレースの生地を選びました。
草履も着物の色味と合わせたピンクパールに、鼻緒も白レースになっていてとっても可愛い仕上がりになっています。
そして、髪飾りや帯締め、羽織り紐など細かいパーツのものはハンドメイドで…
はい。洋柄の7歳女の子の帯締めはパールとベロア生地のリボンを使って、
上品な表現ができる素材を選んでいます。形もシンプルながら可愛らしいフォルムになるようにこだわりました。
なるほど。男の子の羽織り紐も、とっても可愛いですね!今までに無い雰囲気です。
ありがとうございます。男の子も羽織りと袴の色のバランスを見ながら小物作りをしています。
全体的に優しく柔らかい雰囲気になるよう、丸いフォルムと質感も大事にして素材選びをしました。
古典柄着物もユースマイルオリジナルデザイン
洋柄着物の他に、古典柄の着物もユースマイルオリジナルなんですね。淡いピンク色の古典柄は初めて見ました。
そうなんです。ピンクの古典柄着物は珍しくないんですが、
濃い色を使ったくっきりした柄のものがほとんどだと思います。
それはそれで良いんですが、ユースマイルのコンセプトでもある「優しい・愛らしい・あたたかい」とは
表現したいイメージが違うかなと。
そこで着物問屋さんにお願いして、こちらが理想とするカラーで柄を作成していただいたんです。
着物のカラーを決める時のポイントはありましたか?
これは最初にもお話したのですが、やはりスタジオで撮影したときにお顔写りと衣装が一番きれいに見えるように
何度も試作を作って頂き、実際に撮影しながら調整していきました。
ユースマイルのコンセプトに合わせて温かみのあるやさしい色を使うことは決めていたので、まずベースになる色を決めたら
差し色でも同じトーンを使って、可愛らしく上品なイメージになるようにカラーを選びました。
この着物も、オリジナル小物なんですよね。この髪飾りもですか?
はい。髪飾りも自社制作です。つまみ細工っていうんですが、一つ一つ花びらから手作りしています。
ちりめん布をカットして、ピンセットでこうして…(実演)
とても細かい作業ですね…!大きさや色も考えながら作っているんですね。
そうですね。写真写りや実際にスタイリングしたときの髪型を考えて、大きさや全体のバランスを考えて組み合わせていきます。
どの角度からみても綺麗なバランスで見えるように、何度も組み替えながら作りました。
3歳女の子の被布飾りも、同じつまみ細工なんですよ。
和菓子のようなコロンとしたフォルムがとっても可愛いので、ぜひぜひ注目してください。
ありがとうございます。最後に、この記事を読んでくださっている方へ一言お願いします。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今回ご紹介した衣装はどれもお子様の年齢だからこそ可愛さが引き立つように考えられています。
洋柄の着物はちょっぴり背伸びしたい女の子・男の子をイメージして、古典柄着物はやさしさと愛らしさ、繊細さを持ち合わせた女の子をイメージしています。
ユースマイルでしか着れない衣装ばかりですので、ぜひご来店の際はご試着、ご利用いただけると大変うれしく思います。
オリジナル衣装は、半年以上前からたくさんの工程を経てやっと完成したんですね。金森ディレクター、ありがとうございました。